薬剤部

Pharmacy

薬剤部は、医薬品適正使用を基に医薬品の安全使用、医薬品副作用防止、医薬品安定供給と管理、災害時等における医薬品供給・備蓄を推進します。さらに医療の連携、教育、予防を柱とし、地域住民の健康の維持、増進に努めます。

令和4年10月1日から薬剤師当直制を施行し、24時間薬剤師対応ができるようになりました。これからも「顔の見える薬剤師」を目指し、患者さん中心の安全で質の高い薬学的サービスの提供を目指します。

  • 薬剤師は、医療の担い手として、医師、歯科医師、看護師、その他医療関係者、薬剤師会、行政と密に連携し、プライマリーケアから在宅等に至る健康維持増進に寄与するよう努めます。
  • 薬剤師本来の職能である医薬品の供給、調剤業務のみならず医薬品情報の提供に関し、医薬品の適正使用を責務とし、服用するすべての方々の安全を第一と考え、くすりの適正使用に努めます。
  • 薬物治療の質の維持・標準化を基に患者さんに対して最も有効で経済的な医薬品の使用方針として、院内フォーミュラリ※1・地域フォーミュラリ※1を推進します。
  • 医薬品情報を適正に提供し、後発医薬品(ジェネリック)〈バイオシミラー※2含む〉の使用推進に努め、医療資源の活用、患者さんの経費負担軽減に努めます。
  • 弊院の院外処方箋応需薬局と連携し、患者さんの要望に応じた院外処方の適正化、連携充実に努めます。
  • 玉名郡市薬剤師会学校薬剤師業務を中心とする青少年の育成に強くかかわり、未成年者の喫煙、飲酒を防止し、危険ドラッグなどの違法薬物から守り健康な生活の維持に努めます。

※1フォーミュラリ:疾患の診断、予防、治療や健康増進に対して、医師を始めとする薬剤師・他の医療従事者による臨床的な判断を表すために必要な、継続的にアップデートされる薬のリストと関連情報

※2バイオシミラー:先行バイオ医薬品と同等/同質の品質、安全性および有効性を有し、異なる製造販売業者により開発される医薬品をバイオシミラー(バイオ後続品)と言います。バイオシミラーは、先行バイオ医薬品と品質がほとんど同じで、同じ効果と安全性が確認された薬剤です。臨床試験を含む多くのデータによって、先行バイオ医薬品と同じように使えることが示されています。先行バイオ医薬品よりも安価なため、患者さんの経済的負担や医療費の軽減が期待されます。

調剤業務
患者さんに「おくすり」を安心して服用していただくため「おくすり」の服用量や飲み方、他の薬剤・薬品・サプリメント(健康食品)などとの飲み合わせ等を厳しくチェックして、正確な調剤に努めています。
外来窓口、入院時、退院時におきましてはその都度、「お薬手帳」をご持参ください。
注射薬提供業務
注射処方箋の内容(投与量、投与速度、投与経路、配合変化など)をチェックし、入院患者さん毎に一日分ずつ準備し供給しています。
薬剤管理指導業務
入院患者さんの薬に関する情報を管理し、主治医の指示により直接病室にお伺いして、患者さんに薬の飲み方や薬の効き方などについて説明するとともに、副作用の発現防止や早期発見に努めています。
病棟薬剤業務
  1. 医師との協働すなわちチーム医療の推進
  2. 医師の負担軽減すなわち薬剤師の専門性発揮
  3. 適正使用の推進によるリスクマネジメント
医師は治療効果が高く副作用の少ない薬を選びますが、患者さんによっては、アドヒアランス(服薬理解・服薬遵守)が低いために医師が期待する治療効果が発揮できていないという問題があります。そこで薬剤師が患者さんの服薬状況の聞き取りや指導によってアドヒアランスを向上させ、効果・副作用のモニタリングを行うことで、安全で有効な薬物治療に貢献することができます。この三つを総合した業務を通じて「薬物療法の有効性・安全性の向上」に資する薬剤関連業務「病棟薬剤業務」を実践しています。
医薬品情報管理業務
新薬情報や副作用情報などのさまざまな情報を収集・整理・管理し、病棟スタッフや患者さんのお薬に関する問い合わせに対応できるよう整備しています。
Dr.JOY(ドクター・ジョイ株式会社)、AI-PHARMA「アイファルマ」(木村情報技術株式会社)と連携し、最新の医薬品情報を通じて患者さんの安全に寄与しています。
製剤業務(院内製剤)
医薬品開発の進歩はめざましいものがありますが、様々な疾病、病態を有する患者さんに最適な薬物療法を実施するためには、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」による承認を取得して供給されている医薬品だけでは必ずしも十分ではない場合があります。
院内製剤は、その使用目的に応じ①調剤の準備を目的とするもの、②患者さんの治療・診断を目的とするもの、③医療に用いるが患者さんの治療・診断目的ではないもの、に大別でき、医療のニーズに対応すべく、院内製剤は医療法の下で院内において調製しています。
また、国の基準に準じて院内製剤のクラス分類(クラスⅠ・クラスⅡ・クラスⅢ)を行うとともに、クラス毎に必要な手続きに関する基準及び院内製剤の品質保証の方法等を定めることにより、安全で安心かつ適正な院内製剤の調製及び使用を行っています。
治験業務
新薬の開発には、ヒトでの安全性と有効性を検証する臨床試験(治験)が欠かせません。
治験を行う病院は、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」という規則に定められた要件を満足する病院だけが選ばれます。その要件とは、
  • 医療設備が充分に整っていること
  • 責任を持って治験を実施する医師、看護師、薬剤師等がそろっていること
  • 治験の内容を審査する委員会を利用できること
  • 緊急の場合には直ちに必要な治療、処置が行えること
治験は、科学的、人道的に厳密に実施される必要がありますが、適格なSMO(Site Management Organization:治験施設支援機関)と契約し、GCPに基づき適正で円滑な治験が実施できるよう、当薬剤部でも国の基準に従って、治験薬の管理や調剤を中心に治験全般を行っています。
多職種連携(チーム医療)

緩和医療における薬剤師の第一の役割は、痛みをコントロールする薬剤の投与が行われている患者さんの薬学的管理、指導等を行って痛みをコントロールし疼痛解除へとつなげることです。とくにがんの痛みは、身体的、心理的、社会的、そしてスピリチュアル等の側面を持つ、“全人的痛み(トータル・ペイン)”のすべてにおいて医師、看護師を中心とした多職種連携で関わります。薬剤師はまず身体的なアプローチ、つまり薬物療法上の解決策や副作用の見落しがないかなど、薬学的見地から安全に疼痛コントロールを支援させていただきます。

当院では、緩和医療暫定指導薬剤師(日本緩和医療薬学会)、緩和薬物療法認定薬剤師(日本緩和医療薬学会)、麻薬教育認定薬剤師(日本緩和医療薬学会)を専従で配置し、多職種連携における緩和ケアチームの中で患者さん・ご家族を支援させていただきます。

また、当院は、緩和医療専門薬剤師研修施設(日本緩和医療薬学会)として緩和ケアにかかる薬剤師の連携、教育に注力しています。

当院では、がん薬物療法認定薬剤師(日本病院薬剤師)、外来がん治療認定薬剤師(日本臨床腫瘍学会)を専従で配置し、チーム医療の中で薬剤師の責務として入院でのがん化学療法導入から外来に移行するまで、また入院でがん化学療法を継続する患者さん・ご家族のご支援を行う事を第一に業務を行っています。
抗がん剤治療を受ける患者さんに対し、薬剤師の専門的知識を活かして医師、看護師など他職種のスタッフと協力し、安心・安全な治療の実施に取り組んでいます。

昨今、がん化学療法は、薬物療法の進歩、在宅期間延長による患者さんのQOL向上、入院期間短縮による医療コストの削減等の要因により、入院から外来へ移行しつつあります。外来で治療を受ける患者さんはセルフケアがより重要となるため、副作用の種類や発現しやすい時期、発現時の対応方法などについて説明(服薬指導)を行っています。

抗がん剤の無菌調製は、すべてレジメン管理に基づくシステム化によりリスクマネジメントの向上を構築し、より充実した指導等を中心に薬剤師の責任を果たしていきたいと願っています。

令和2年11月より、外来での抗がん剤治療の質を向上させる観点から、外来でも入院時と同様に安心・安全な治療が行えるようにレジメン(治療内容)を提供(ホームページに掲載)し、「外来化学療法加算1」(抗悪性腫瘍剤を注射した場合)の新たな評価として、「連携充実加算」を取得しました。
地域の保険薬局と連携して医療連携を推進することで、患者さんの状態を踏まえた必要な指導を行うとともに、地域の薬局薬剤師を対象とした研修会の実施等の連携体制を整備し、外来でも入院時と同様に安心・安全な治療が行えるように各保険調剤薬局との連携により情報共有を深めています。

マスクの着用、3密の回避、手洗い・手指消毒など、感染予防における基本的な対策の徹底にご協力いただきまことにありがとうございます。

当院では院内感染防止対策マニュアルを整備し感染対策に努めています。また、感染対策に携わるチームが2つあり、1つは感染を拡げない事を目的とする感染対策チーム(Infection Control Team、以下 ICT)、もう1つは抗菌薬の適正治療の推進と耐性菌を作らせない事を目的とする抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team、以下AST)があります。それぞれのチームは医師・看護師・臨床検 査技師・薬剤師などで構成されており、多職種連携で運営されています。この中で薬剤師は、主に抗菌薬・消毒薬の適正使用の推進に関わっています。

抗菌化学療法認定薬剤師(日本化学療法学会)、感染制御専門薬剤師(日本病院薬剤師会)、感染制御認定薬剤師(日本病院薬剤師会)を専従でチームに配置することにより、感染制御に関する高度な知識、技術、実践能力により、感染制御を通じて患者さんが安心・安全で適切な治療を受けるために必要な環境の提供に貢献するとともに、感染症治療に関わる薬物療法の適切かつ安全な遂行に寄与することを目的としています。

入退院サポートセンター(入院時薬剤業務支援)
薬剤師を専従で配置し、関係する職種と連携して入院前からの患者さん支援を十分に行い、服薬中の薬剤を確認し、入院中の薬剤管理に適切に対応しています。

薬剤師は、得られた処方情報を薬学的な観点から評価し、入院および治療に向けて、手術や検査時の休薬が必要な薬剤を確認しています。

アレルギー歴・副作用歴については本人・家族、診療情報提供書、お薬手帳等から詳細を聞き取り、医師、看護師、病棟薬剤師と連携し、副作用回避に寄与しています。

入院前に薬物治療に関する問題点をあらかじめ抽出しておくことで、シームレスに病棟薬剤師による円滑な薬物治療・情報の提供を行い、医師、看護師の病棟負担軽減等を推進することが可能となりました。

退院時薬剤情報管理指導
患者さんの入院時に当該患者さんが服薬中の医薬品等について確認するとともに、当該患者さんに対して入院中に使用した主な薬剤の名称(副作用が発現した場合については、当該副作用の概要、講じた措置等を含む。)に関して当該患者さんの手帳に記載した上で、退院に際して当該患者さん又はその家族等に対して、退院後の薬剤の服用等に関する必要な指導を行っています。
また、必要に応じて保険医療機関が、入院前の内服薬の変更をした患者さん又は服用を中止した患者さんについて、保険薬局に対して、当該患者さん又はその家族等の同意を得て、その理由や変更又は中止後の当該患者さんの状況を文書により提供させて戴きます。
入院時、退院時は必ずお薬手帳をご持参ください。
DMAT(Disaster Medical Assistance Team 災害派遣医療チーム)
医師、看護師、業務調整員(薬剤師、診療放射線技師、臨床工学技士、事務職員など)で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場で48時間以内に活動できる機動性を持った医療チームです。
薬剤師は、限られた医薬品の中で医師の診断にあった治療薬を提案したり、患者さんの常備薬の代替薬を検討したりと被災地で薬剤師が求められる役割として参画しています。
SPD(院内物流管理システム)
院内の在庫管理や医薬品・消毒薬等の物流は、株式会社 麻生情報システムの物流管理〈購買管理・在庫管理・使用(消費)管理〉システムを導入し、薬剤部で一元管理しています。
ラベル管理方式で適正在庫、有効期限管理の徹底により院内全体のコスト意識向上に努めています。
その他
病院薬剤師に必要な知識と実務を経験していただくために、薬学系大学の実習生を受け入れています。
事前訪問をご希望される方は、弊院 総務課または、薬剤部にご連絡ください。
また、採用募集状況等につきましてもご遠慮なくお尋ねください。

2021年度病院年鑑(薬局)(pdf形式:105KB)

2020年度病院年鑑(薬局)(pdf形式:92KB)

薬剤部の訪問受付は、原則、Dr.JOY(Pr.JOY)【Dr.JOY株式会社提供】から受付を行っています。
病院お取引業者さまには、Pr.JOYから訪問申請を行ってください。
WEBを利用した面談も行っておりますので詳しくは、PR.JOYに記載しております「病院の面会ルール」をご参照ください。

なお、緊急時につきましては、この限りでありませんが、必ず事前申請を行ってください。
申請登録につきましては、薬剤部 医薬品情報担当者にご確認ください。

MR訪問規制(禁止)R4年1月~(pdf形式:134KB)

お取引業者のみなさまへ:当院のルールとよくあるご質問について(令和5年6月12改訂)(pdf形式:1.2MB)

担当者管理システムMONITARO登録遵守のお願い(pdf形式:594KB)

MONITARO新規登録の手順(pdf形式:766KB)

電話受付
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0968 - 73 - 5180(薬剤部直通)